命題VI-4
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題VI-4 等角な三角形において、等しい角を挟む辺どうしは比例し、それらの辺を挟む角が対応している。
作成:2006-12-02
更新:2011-03-10

命題VI-4

Τῶν ἰσογωνίων τριγώνων ἀνάλογόν εἰσιν αἱ πλευραὶ αἱ περὶ τὰς ἴσας γωνίας καὶ ὁμόλογοι αἱ ὑπὸ τὰς ἴσας γωνίας ὑποτείνουσαι.
 等角な三角形において、等しい角を挟む辺どうしは比例し、それらの辺を挟む角が対応している。
 ABCとDCEを等角な三角形とし、角ABCと角DCE、角BACと角CDE、角ACBと角CEDが等しいとする。このとき、三角形ABCとDCEにおいて、等しい角を挟む辺どうしは比例し、それらの辺を挟む角が対応していると主張する。
 BCをCDと同じ直線上に置く。角ABCとACBの和は二直角より小さく[命題I-17]、角ACBはDECに等しいから、角ABCとDECの和は二直角より小さい。よって、BAとEDを延長すれば交わる[公準5]。それらを延長し、その交点をFとする。
 角DCEはABCに等しいから、BFはCDに平行である[命題I-28]。角ACBはDECに等しいから、ACはFEに平行である[命題I-28]。よって、FACDは平行四辺形であり、FAはDCに等しく、ACはFDに等しい[命題I-34]。ACは三角形FBEの一辺FEに平行であるから、BA対AFはBC対CEに等しい[命題VI-2]。AFはCDに等しいからBA対CDはBC対CEに等しく、その交代比をとればAB対BCはDC対CEに等しい[命題V-16]。CDはBFに平行であるから、BC対CEはFD対DEに等しい[命題VI-2]。FDはACに等しいから、BC対CEはAC対DEに等しく、その交代比をとればBC対CAはCE対EDに等しい[命題V-16]。したがって、AB対BCはDC対CEに等しく、BC対CAはCE対EDに等しい。これらの等位比をとればBA対ACはCD対DEに等しい[命題V-22]。
 ゆえに、等角な三角形において、等しい角を挟む辺どうしは比例し、それらの辺を挟む角が対応している。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888