命題VI-33
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題VI-33 等しい円の比例する中心角あるいは円周角は、比例する弧の上に立つ。
作成:2007-03-20
更新:2011-03-10

命題VI-33

Ἐν τοῖς ἴσοις κύκλοις αἱ γωνίαι τὸν αὐτὸν ἔχουσι λόγον ταῖς περιφερείαις, ἐφ᾽ ὧν βεβήκασιν, ἐάν τε πρὸς τοῖς κέντροις ἐάν τε πρὸς ταῖς περιφερείαις ὦσι βεβηκυῖαι.
 等しい円の比例する中心角あるいは円周角は、比例する弧の上に立つ。
 ABCとDEFを等しい円とし、BGCとEHFを中心GとHに関する中心角とし、BACとEDFを円周角とする。このとき、弧BC対EFは、角BGC対EHFと角BAC対EDFに等しい。
 任意の個数の弧BCに等しい連続する弧CK、KLと、弧EFに等しい弧FM、MNを作り、GK、GL、HM、HNを結ぶ。
 弧BC、CK、KLは互いに等しいから、角BGC、CGK、KGLも互いに等しい[命題III-27]。よって、弧BLをBCによって測った数と、角BGLをBGCで測った数は等しい。同じ理由により、弧NEをEFによって測った数と、角NHEをEHNで測った数は等しいから、もし弧BLとENが等しければ、角BGLもEHNに等しく[命題III-27]、弧BLがENより大きければ、角BGLもEHNより大きく、弧BLがENより小さければ、角BGLもEHNより小さい。四つの量、すなわち、二つの弧BCとEF、二つの角BGCとEHFにおいて、弧BCと角BGC、弧EFと角EHFをそれぞれ任意に等倍したとしても、弧BLがEN、角BGLもEHNを比較したときの大小及び相等関係は一致する。したがって、弧BC対EFは角BGC対EHFに等しい[定義DV-5]。ここで、同じ弧を底とする中心角は円周角の二倍であるから[命題III-20]、角BGC対EHFは角BAC対EDFに等しく[命題V-15]、弧BC対EFは角BGC対EHF、角BAC対EDFに等しい。
 ゆえに、等しい円の比例する中心角あるいは円周角は、比例する弧の上に立つ。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888