命題VI-29
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題VI-29 与えられた直線上に、与えられた直線図形と等しく、与えられた平行四辺形に相似な部分を加えた平行四辺形を作図すること。
作成:2007-02-25
更新:2011-03-10

命題VI-29

Παρὰ τὴν δοθεῖσαν εὐθεῖαν τῷ δοθέντι εὐθυγράμμῳ ἴσον παραλληλόγραμμον παραβαλεῖν ὑπερβάλλον εἴδει παραλληλογράμμῳ ὁμοίῳ τῷ δοθέντι.
 与えられた直線上に、与えられた直線図形と等しく、与えられた平行四辺形に相似な部分を加えた平行四辺形を作図すること。
 ABを与えられた直線とし、Cを与えられた直線図形で、AB上の平行四辺形と等しくなるように求められているものとする。さらにDを加える部分に相似な平行四辺形とするとき、与えられた直線図形Cに等しく、与えられた平行四辺形Dに相似な部分を加えた平行四辺形を作図することが求められている。
 ABが点Eで二等分され[命題I-10]、平行四辺形BFがEB上に平行四辺形Dと相似で相似に置かれているとする[命題VI-18]。平行四辺形GHはDに相似で相似に置かれ、BFとCの和に等しいとする[命題VI-25]。KHはFLに、KGはFEに対応し、GHはFBより大きいから、KHはFLより大きく、KGはFEより大きい。FLとFEを延長し、FLMがKHに等しく、FENがKGに等しくなるようにする[命題I-3]。平行四辺形MNを完成させるとMNはGHに等しく、相似である。ここで、GHはELに相似であるから、MNもELに相似である[命題VI-21]。ELはMNと対角線を共有するから[命題VI-26]、共通の対角線FOを引き、残りの図を描く。
 GHはELとCの和に等しく、GHはMNに等しいから、MNはELとCの和に等しい。両方からELを引くと、残りのグノーモンUXVはCに等しい。AEはEBに等しいから、平行四辺形ANは平行四辺形NBに等しい[命題VI-1]。そしてこれは平行四辺形LPに等しい[命題I-43]。平行四辺形EOを両方に加えると、全体の平行四辺形AOはグノーモンUXVに等しい。ここで、グノーモンUXVはCに等しいから、AOもまたCに等しい。
 ゆえに、平行四辺形AOは、与えられた直線図形Cに等しく、与えられた直線AB上に置かれ、Dと相似な平行四辺形QP(ELはPQに相似である[命題VI-24])が加えられている。これが求められていたことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888