命題VI-28
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題VI-28 与えられた直線上に、与えられた直線図形と等しく、与えられた平行四辺形に相似な部分を取り去った平行四辺形を作図すること。ここで、与えられた直線図形は、直線の半分上に置かれる欠落部分に相似な平行四辺形よりも小さいものとする。
作成:2007-02-11
更新:2011-03-10

命題VI-28

Παρὰ τὴν δοθεῖσαν εὐθεῖαν τῷ δοθέντι εὐθυγράμμῳ ἴσον παραλληλόγραμμον παραβαλεῖν ἐλλεῖπον εἴδει παραλληλογράμμῳ ὁμοίῳ τῷ δοθέντι: δεῖ δὲ τὸ διδόμενον εὐθύγραμμον [ᾧ δεῖ ἴσον παραβαλεῖν] μὴ μεῖζον εἶναι τοῦ ἀπὸ τῆς ἡμισείας ἀναγραφομένου ὁμοίου τῷ ἐλλείμματι [τοῦ τε ἀπὸ τῆς ἡμισείας καὶ ᾧ δεῖ ὅμοιον ἐλλείπειν].
 与えられた直線上に、与えられた直線図形と等しく、与えられた平行四辺形に相似な部分を取り去った平行四辺形を作図すること。ここで、与えられた直線図形は、直線の半分上に置かれる欠落部分に相似な平行四辺形よりも小さいものとする。
 ABを与えられた直線とし、Cを与えられた直線図形で、AB上の平行四辺形と等しくなるように求められており、直線ABの半分上に置かれる欠落部分に相似な平行四辺形よりも小さいものとする。さらにDを欠落部分に相似な平行四辺形とするとき、与えられた直線図形Cに等しく、与えられた平行四辺形Dに相似な部分を取り去った平行四辺形を作図することが求められている。
 ABが点Eで二等分され[命題I-10]、平行四辺形EBFGがEB上に平行四辺形Dと相似で相似に置かれているとする[命題VI-18]。平行四辺形AGを完成する。
 AGがCに等しければ、上のことが成り立つ。なぜならば、与えられた直線図形Cに等しい平行四辺形AGは、与えられた直線AB上にあり、Dと相似な平行四辺形GBを取り去っているからである。そうでないと仮定しよう。HEがCより大きいとする。HEはGBに等しいから[命題VI-1]、GBもCより大きい。平行四辺形KLMNを、Dに相似で相似に置かれ、GBからCを引いた余剰分に等しくなるように描く[命題VI-25]。GBはDに相似であるから、KMもGBに相似である[命題VI-21]。よって、KL対GEはLM対GFに等しく、GBはCとKMの和に等しいから、GBはKMより大きい。したがって、GEはKLより大きく、GFはLMより大きい。GOをKLと、GPをLMと等しくとる[命題I-3]。平行四辺形OGPQを完成させるとこれはKMに相似であるから、GBにも相似であり[命題VI-21]、GQとGBは同じ対角線上にある[命題VI-26]。GQBを共通の対角線とし、残りの図を描く。
 BGはCとKMの和に等しく、GQはKMに等しいから、残りのグノーモンUXVは残りのCに等しい。補形PRは補形OSに等しいから[命題I-43]、それらにQBを加えることによって、平行四辺形PBが平行四辺形OBに等しいことがわかる。辺AEは辺EBに等しいから、OBはTEに等しく[命題VI-1]、TEはPBにも等しい。OSを両方に加えると、全体の平行四辺形TSはグノーモンUXVに等しい。グノーモンUXVはCに等しいから、平行四辺形TSはCに等しい。
 ゆえに、平行四辺形STは与えられた直線図形Cに等しく、与えられた直線AB上に描かれ、Dに相似な平行四辺形QB(QBはGQに相似[命題VI-24])を取り去ったものである。これが求められていたことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888