命題VI-24
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題VI-24 平行四辺形において、対角線を分割する平行四辺形は全体にも互いにも相似である。
作成:2007-01-04
更新:2011-03-10

命題VI-24

Παντὸς παραλληλογράμμου τὰ περὶ τὴν διάμετρον παραλληλόγραμμα ὅμοιά ἐστι τῷ τε ὅλῳ καὶ ἀλλήλοις.
 平行四辺形において、対角線を分割する平行四辺形は全体にも互いにも相似である。
 ABCDを平行四辺形、ACをその対角線とする。EGとHKがACを分割する平行四辺形であるとき、EGとHKの各々は全体に相似であり、また、互いに相似であると主張する。
 EFは三角形ABCの一辺BCに平行に引かれているから、BE対EAはCF対FAに等しい[命題VI-2]。また、FGは三角形ACDの一辺CDに平行に引かれているから、CF対FAはDG対GAに等しい[命題VI-2]。CF対FAはBE対EAに等しいことが示されているから、BE対EAはDG対GAに等しい。これを合成するとBA対AEはDA対AGに等しい[命題V-18]。この交代比をとるとBA対ADはEA対AGに等しい[命題V-16]。よって、平行四辺形ABCDとEGが共有する角BADを挟む辺は比例する。GFはDCに平行であるから、角AFGはDCAに等しい[命題I-29]。角DACは三角形ADCとAFGが共有するから、三角形ADCはAGFに等角である[命題I-32]。同じ理由により、三角形ACBはAFEに等角であり、全体の平行四辺形ABCDは平行四辺形EGに等角である。したがって、AD対DCはAG対GFに等しく、DC対CAはGF対FAに等しく、AC対CBはAF対FEに等しく、さらにCB対BAはFE対EAに等しい[命題VI-4]。DC対CAはGF対FAに等しく、AC対CBはAF対FEに等しいから、等位比をとれば、DC対CBはGF対FEに等しい[命題V-22]。よって、平行四辺形ABCDとEGにおいて、等しい角を挟む辺が比例しているから、それらは相似である[定義DVI-1]。同じ理由により、平行四辺形ABCDはKHに相似である。平行四辺形EGとHKの各々は平行四辺形ABCDに相似であり、同じ直線図形に相似な直線図形は互いに相似であるから[命題VI-21]、平行四辺形EGは平行四辺形HKに相似である。
 ゆえに、平行四辺形において、対角線を分割する平行四辺形は全体にも互いにも相似である。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888