命題V-19
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題V-19 二つの量の比がそれらの部分の比に等しいとき、全体から部分を取り去った量の比もそれに等しい。
作成:2006-10-15
更新:2011-03-10

命題V-19

Ἐὰν ᾖ ὡς ὅλον πρὸς ὅλον, οὕτως ἀφαιρεθὲν πρὸς ἀφαιρεθέν, καὶ τὸ λοιπὸν πρὸς τὸ λοιπὸν ἔσται ὡς ὅλον πρὸς ὅλον.
 二つの量の比がそれらの部分の比に等しいとき、全体から部分を取り去った量の比もそれに等しい。
 四つの量α,β,γ(<α),δ(<β)について次が成り立つ。
α:β = γ:δ ⇒ α:β = (α-γ):(β-δ)
 AB対CDがAE対CFに等しいとき、EB対FDもAB対CDに等しいと主張する。
 AB対CDはAE対CFに等しいから、その交代比BA対AEはDC対CFに等しい[命題V-16]。統合比が等しいならばその分離比も等しいから、BE対EAはDF対CFに等しい[命題V-17]。さらにその交代比BE対DFはEA対FCに等しい[命題V-16]。AE対CFはAB対CDに等しいから、EB対FDもAB対CDに等しい。
 ゆえに、二つの量の比がそれらの部分の比に等しいとき、全体から部分を取り去った量の比もそれに等しい。

 このとき、反転しても比例していることは明白である。これが証明すべきことであった。
 四つの量α,β,γ(<α),δ(<β)について次が成り立つ。
α:β = γ:δ ⇒ α:(α-γ) = β:(β-δ)
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888