命題V-16
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題V-16 比例している四つの量においては交代比も比例する。
作成:2006-10-14
更新:2011-03-10

命題V-16

Ἐὰν τέσσαρα μεγέθη ἀνάλογον ᾖ, καὶ ἐναλλὰξ ἀνάλογον ἔσται.
 比例している四つの量においては交代比も比例する。
 四つの量α,β,γ,δについて次が成り立つ。
α:β = γ:δ ⇒ α:γ = β:δ
 A、B、C、Dを比例する四つの量とする、すなわち、A対BとC対Dが等しいとする。このとき、交代比も比例する、すなわち、A対CとB対Dも等しいと主張する。
 E、FをA、Bの等倍とすると、A対BはE対Fに等しい[命題V-15]。A対BはC対Dに等しいから、C対DはE対Fに等しい[命題V-11]。G、HをC、Dの等倍とすると、C対DはG対Hに等しい[命題V-15]。C対DはE対Fに等しいから、E対FはG対Hに等しい[命題V-11]。四つの量の一項と二項の比と三項と四項の比が等しいとき、一項と三項、二項と四項を比較したときの大小及び相等関係は一致する[命題V-14]。したがって、EとG、FとHを比較したときの大小及び相等関係は一致する。E、FはA、Bの、G、HはC、Dのそれぞれ任意の等倍であるから、A対CはB対Dに等しい[定義DV-5]。
 ゆえに、比例している四つの量においては交代比も比例する。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888