命題V-12
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題V-12 二組の同じ個数の量の組において、対応する量の各々が比例するならば、全体の和もそれに比例する。
作成:2006-10-08
更新:2011-03-10

命題V-12

Ἐὰν ᾖ ὁποσαοῦν μεγέθη ἀνάλογον, ἔσται ὡς ἓν τῶν ἡγουμένων πρὸς ἓν τῶν ἑπομένων, οὕτως ἅπαντα τὰ ἡγούμενα πρὸς ἅπαντα τὰ ἑπόμενα.
 二組の同じ個数の量の組において、対応する量の各々が比例するならば、全体の和もそれに比例する。
 二組の同じ個数の量の組(α,β,γ,⋯)と(α',β',γ',⋯)について次が成り立つ。
α:α' = β:β' = γ:γ' = ⋯  ⇒  α:α' = (α + β + γ + ⋯):(α' + β' + γ' + ⋯)
 量A,B,C,D,E,Fにおいて、A対B、C対D、E対Fが等しいならば、A、C、Eの和とB、D、Fの和の比もそれに等しいと主張する。
 G、H、KをA、C、Eの等倍、L、M、Nを任意の倍数のB、D、Fの等倍とする。
 A対B、C対D、E対Fが等しく、G、H、KはA、C、Eの等倍、L、M、Nは任意の倍数のB、D、Fの等倍であるから、GとL、HとM、KとNの大小及び相等関係は一致し[定義DV-5]、GとG、H、Kの和はAとA、C、Eの和の等倍であり、LとL、M、Nの和はBとB、D、Fの和の等倍である[命題V-1]。GとG、H、Kの和、LとL、M、Nの和の大小及び相等関係は一致するから、A対BとA、C、Eの和とB、D、Fの和の比は等しい[定義DV-5]。
 ゆえに、二組の同じ個数の量の組において、対応する量の各々が比例するならば、全体の和もそれに比例する。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888