命題IV-15
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題IV-15 与えられた円に等辺で等角な六角形を内接させること。
作成:2006-09-18
更新:2011-03-10

命題IV-15

Εἰς τὸν δοθέντα κύκλον ἑξάγωνον ἰσόπλευρόν τε καὶ ἰσογώνιον ἐγγράψαι.
 与えられた円に等辺で等角な六角形を内接させること。
 ABCDEFを与えられた円とする。円ABCDEFに等辺で等角な六角形を内接させることが求められている。
 円ABCDEFの直径ADを引き、Gを円の中心とする[命題III-1]。Dを中心とし、半径がDGの円EGCHを描く。EGとCGを結び、円ABCDEFを切るようにBとFまで延長する。AB、BC、CD、DE、EF、FAを結ぶ。このとき、六角形ABCDEFは等辺で等角であると主張する。
 点Gは円ABCDEFの中心であるから、GEはGDに等しい。点Dは円GCHの中心であるから、DEはDGに等しい。したがって、GEはGDに等しいから、GEはEDに等しく、三角形EGDは等辺である。よって、等辺三角形の底辺を挟む角は互いに等しいことから[命題I-5]、三つの角EGD、GDE、DEGは互いに等しい。三角形の三つの角の和は二直角に等しいから[命題I-32]、角EGDは二直角の三分の一である。同じようにして、DGCも二直角の三分の一であることを示すことができる。直線CGはEB上に立ち、隣接角EGCとCGBを成し、その和は二直角に等しいから[命題I-13]、残りの角CGBも二直角の三分の一である。したがって、角EGD、DGC、CGBは互いに等しく、これらの対頂角BGA、AGF、FGEも二直角の三分の一である[命題I-15]。よって、六つの角EGD、DGC、CGB、BGA、AGF、FGEは互いに等しい。等しい中心角は等しい弧の上に立つから[命題III-26]、六つの弧AB、BC、CD、DE、EF、FAは互いに等しい。等しい弧は等しい弦を張るから[命題III-29]、六つの直線AB、BC、CD、DE、EF、FAは互いに等しい。したがって、六角形ABCDEFは等辺である。
 さらに等角であると主張する。なぜならば、弧FAは弧EDに等しいから、両方に弧ABCDを加えれば、FABCD全体はEDCBA全体に等しい。角FEDは弧FABCDの上に立ち、角AFEは弧EDCBAの上に立つから、角AFEは角DEFに等しい[命題III-27]。同じようにして、六角形ABCDEFの残りの角が角AFEとFEDの各々に等しいことを示すことができ、六角形ABCDEFは等角である。
 ゆえに、与えられた円に等辺で等角な六角形を内接させることができた。これが求められていたことであった。

 このことから、この六角形の辺は円の半径に等しいことがわかる。
 また、五角形の場合と同じように、円周を分割する点に接する直線を引くことによって、等辺で等角な六角形を円に外接させることができる。さらに、五角形の場合と同じように、与えられた等辺で等角な六角形に円を内接または外接させることができる。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888