命題III-6
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題III-6 二つの円が互いに接するならば、それらの中心は異なる。
作成:2006-08-30
更新:2011-03-10

命題III-6

Ἐὰν δύο κύκλοι ἐφάπτωνται ἀλλήλων, οὐκ ἔσται αὐτῶν τὸ αὐτὸ κέντρον.
 二つの円が互いに接するならば、それらの中心は異なる。
 二つの円ABCとCDEが点Cで互いに接するならば、それらの中心は異なると主張する。
 中心が同じ点Fであると仮定し、FCを結ぶ。FEGを二円と交わるような直線とする。
 点Fは円ABCの中心であるから、FCはFBに等しい。また点Fは円CDEの中心でもあるから、FCはFEに等しい。FCはFBに等しかったから、FEはFBに等しくなり、小さいものが大きいものと等しいことになり、これは矛盾である。したがって、点Fが円ABCとCDEの中心となることはない。
 ゆえに、二つの円が互いに接するならば、それらの中心は異なる。これが証明すべきことであった
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888