命題III-29
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題III-29 等しい円の等しい弧は等しい弦を張る。
作成:2006-09-11
更新:2011-03-10

命題III-29

Ἐν τοῖς ἴσοις κύκλοις τὰς ἴσας περιφερείας ἴσαι εὐθεῖαι ὑποτείνουσιν.
 等しい円の等しい弧は等しい弦を張る。
 等しい円ABCとDEFにおいて、弧BGCとEHFが等しいとする。BCとEFを結んだとき、BCはEFに等しいと主張する。
 二つの円の中心をKとLとする[命題III-1]。BK、KC、EL、LFを結ぶ。
 弧BGCはEHFに等しいから、円周角BKCはELFに等しい[命題III-27]。円ABCとDEFは等しいから、その半径は等しい[定義DIII-1]。したがって、二辺BK、KCと二辺EL、LFは等しく、共通の角を挟むから、底辺BCは底辺EFに等しい[命題I-4]。
 ゆえに、等しい円の等しい弧は等しい弦を張る。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888