命題III-22
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題III-22 円の内接四辺形において、対角の和は二直角に等しい。
作成:2006-09-10
更新:2011-03-10

命題III-22

Τῶν ἐν τοῖς κύκλοις τετραπλεύρων αἱ ἀπεναντίον γωνίαι δυσὶν ὀρθαῖς ἴσαι εἰσίν.
 円の内接四辺形において、対角の和は二直角に等しい。
 ABCDを円とし、ABCDをそれに含まれる内接四辺形であるとするとき、対角の和は二直角に等しいと主張する。
 ACとBDを結ぶ。
 三角形の三角の和は二直角に等しいから[命題I-32]、三角形ABCの三角CAB、ABC、BCAの和は二直角に等しい。同じ切片BACD内の角CABはBDCに等しい[命題III-21]。同じ切片ADCB内の角ACBはADBに等しい[命題III-21]。したがってADC全体はBACとACBの和に等しい。両方にABCを加えると、ABC、BAC、ACBの和はABCとADCの和に等しい。ここで、ABC、BAC、ACBの和は二直角であるから、ABCとADCの和は二直角に等しい。同じようにして、BADとDCBの和も二直角であることを示すことができる。
 ゆえに、円の内接四辺形において、対角の和は二直角に等しい。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888