命題III-20
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題III-20 円において、同じ弧を底とする中心角は円周角の二倍である。
作成:2006-09-08
更新:2011-03-10

命題III-20

Ἐν κύκλῳ ἡ πρὸς τῷ κέντρῳ γωνία διπλασίων ἐστὶ τῆς πρὸς τῇ περιφερείᾳ, ὅταν τὴν αὐτὴν περιφέρειαν βάσιν ἔχωσιν αἱ γωνίαι.
 円において、同じ弧を底とする中心角は円周角の二倍である。
 ABCを円、BECを中心角、BACを円周角とする。これらは同じ弧BCを底にしている。このとき、角BECは角BACの二倍であると主張する。
 AEを結び、Fまで延長する。
 EAはEBに等しいから、角EABと角EBAは等しい[命題I-5]。したがって、角EABとEBAの和はEABの二倍である。BEFはEABとEBAの和に等しいから[命題I-32]、BEFはまたEABの二倍である。同じ理由で、FECもEACの二倍になる。したがって、それらを合わせるとBECはBACの二倍になる。
 別の円周角BDCがあったとき、DEを結び、Gまで延長する。同じようにして、角GECがEDCの二倍であり、GEBがEDBの二倍であることを示すことができる。したがって、それらの差をとった残りのBECはBDCの二倍である。
 ゆえに、円において、同じ弧を底とする中心角は円周角の二倍である。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888