命題II-7
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題II-7 直線が任意に分割されるとき、全体の直線上の正方形と一つの部分上の正方形の和は、全体とその部分の積である長方形の二倍と残りの部分上の正方形の和に等しい。
作成:2006-08-05
更新:2011-03-10

命題II-7

 直線が任意に分割されるとき、全体の直線上の正方形と一つの部分上の正方形の和は、全体とその部分の積である長方形の二倍と残りの部分上の正方形の和に等しい。
(a+b)⊗(a+b) + b⊗b = 2(a+b)⊗b + a⊗a
 直線ABが任意の点Cで分割されているとき、ABとBC上の正方形の和とABとBCの積である長方形の二倍とCA上の正方形の和は等しいと主張する。
 AB上に正方形ADEBを描き[命題I-46]、残りの図形も描く。
 AGとGEは等しいから[命題I-43]、CFを両方に加えることによって、AFはCEと等しいことがわかる。したがって、AFとCEの和はAFの二倍である。ここで、AFとCEの和はグノーモンKLMと正方形CFの和である。よって、グノーモンKLMと正方形CFの和はAFの二倍である。BFはBCに等しいから、AFの二倍はABとBCの積である長方形の二倍である。AC上の正方形であるDGを両方に加えると、グノーモンKLMと正方形BGとGDの和は、ABとBCの積である長方形の二倍とAC上の正方形の和に等しい。ここで、グノーモンKLMと正方形BGとGDの和は、全体のADEBとCFの和に等しく、それぞれABとBC上の正方形である。したがって、ABとBC上の正方形の和はABとBCの積である長方形の二倍とAC上の正方形の和に等しい。
 ゆえに、直線が任意に分割されるとき、全体の直線上の正方形と一つの部分上の正方形の和は、全体とその部分の積である長方形の二倍と残りの部分上の正方形の和に等しい。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888