命題II-2
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題II-2 直線が分割されるとき、全体の直線と各部分の積である長方形の和と全体の直線上の正方形の和は等しい。
作成:2006-07-30
更新:2011-03-10

命題II-2

Ἐὰν εὐθεῖα γραμμὴ τμηθῇ, ὡς ἔτυχεν, τὸ ὑπὸ τῆς ὅλης καὶ ἑκατέρου τῶν τμημάτων περιεχόμενον ὀρθογώνιον ἴσον ἐστὶ τῷ ἀπὸ τῆς ὅλης τετραγώνῳ.
 直線が分割されるとき、全体の直線と各部分の積である長方形の和と全体の直線上の正方形の和は等しい。
(a+b)⊗a + (a+b)⊗b = (a+b)⊗(a+b)
 与えられた直線ABが任意の点Cにおいて分割されるとき、ABとBCの積である長方形とBAとACの積である長方形の和はAB上の正方形に等しいと主張する。
 ADEBをAB上の正方形とし[命題I-46]、CFをCを通り、ADとBEに平行な直線とする[命題I-31]。
 そうすると正方形AEは長方形AFとCEの和に等しい。AEはAB上の正方形であり、AFはBAとACの積である。なぜならば、それはDAとACの積であり、ADがABと等しいからである。そして、CEはABとBCの積である。なぜならば、BEがABと等しいからである。したがって、BAとAC、ABとBCの積である長方形の和はAB上の正方形に等しい。
 ゆえに、直線が分割されるとき、全体の直線と各部分の積である長方形の和と全体の直線の積である正方形の和は等しい。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888