命題I-48
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題I-48 三角形の一辺上の正方形が残りの辺上の正方形の和に等しければ、それは直角三角形である。
作成:2006-07-28
更新:2011-03-10

命題I-48

Ἐὰν τριγώνου τὸ ἀπὸ μιᾶς τῶν πλευρῶν τετράγωνον ἴσον ᾖ τοῖς ἀπὸ τῶν λοιπῶν τοῦ τριγώνου δύο πλευρῶν τετραγώνοις, ἡ περιεχομένη γωνία ὑπὸ τῶν λοιπῶν τοῦ τριγώνου δύο πλευρῶν ὀρθή ἐστιν.
 三角形の一辺上の正方形が残りの辺上の正方形の和に等しければ、それは直角三角形である。
 三角形ABCの辺BC上の正方形が辺BAとAC上の正方形の和に等しいとする。このとき、角BACが直角であると主張する。
 ADをAから直線ACに垂直に立て[命題I-11]、BAと同じ長さにとる[命題I-3]。DCを結ぶ。DAはABに等しいから、DA上の正方形はAB上の正方形に等しい。AC上の正方形を両方に加えると、BAとAC上の正方形の和は、BAとAC上の正方形の和に等しい。ここで、DACは直角であるから、DAとAC上の正方形の和はDC上の正方形に等しい[命題I-47]。また、仮定より、BAとAC上の正方形の和はBC上の正方形の和に等しい。したがって、DC上の正方形はBC上の正方形に等しく、DCとBCは等しい。DAとABは等しく、ACは共通である。二辺DA、ACとBA、ACがそれぞれ等しく、底辺DCと底辺BCが等しいので角DACは角BACに等しい[命題I-8]。DACは直角であるから、BACも直角である。
 ゆえに、三角形の一辺上の正方形が残りの辺上の正方形の和に等しければ、それは直角三角形である。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888