命題I-36
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題I-36 底辺の長さが等しく、同じ平行線に挟まれている平行四辺形の面積は等しい。
作成:2006-07-22
更新:2011-03-10

命題I-36

Τὰ παραλληλόγραμμα τὰ ἐπὶ ἴσων βάσεων ὄντα καὶ ἐν ταῖς αὐταῖς παραλλήλοις ἴσα ἀλλήλοις ἐστίν.
 底辺の長さが等しく、同じ平行線に挟まれている平行四辺形の面積は等しい。
 ABCDとEFGHを等しい底辺BCとFGをもつ平行四辺形とし、同じ平行線AHとBGに挟まれているものとする。このとき、ABCDとEFGHの面積が等しいと主張する。
 BEとCHを結ぶ。BCとFGは等しく、FGとEHは等しいから[命題I-34]、BCとEHは等しい。これらは平行で、EBとHCで結ばれている。平行で長さが等しい二つの直線の両端をそれぞれ結んだ二つの直線は、また平行で長さが等しいから[命題I-33]、EBとHCはまた等しく、平行である。したがって、EBCHは平行四辺形であり、ABCDに等しい。なぜならば、同じ底辺BCをもち、同じ平行線BC、AHに挟まれているからである[命題I-35]。同じ理由でEFGHもEBCHに等しく、したがって平行四辺形ABCDとEFGHの面積は等しい。
 ゆえに、底辺の長さが等しく、同じ平行線に挟まれている平行四辺形の面積は等しい。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888