命題I-20
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題I-20 任意の三角形において、任意の二辺の和は、残りの辺より大きい。
作成:2006-07-17
更新:2011-03-10

命題I-20

Παντὸς τριγώνου αἱ δύο πλευραὶ τῆς λοιπῆς μείζονές εἰσι πάντῃ μεταλαμβανόμεναι.
 任意の三角形において、任意の二辺の和は、残りの辺より大きい。
 三角形ABCにおいて、任意の二辺の和が残りの辺よりも大きい。すなわち、BAとACの和はBCより、ABとBCの和はACより、BCとCAとの和はABより大きいと主張する。
 BAをDまで延長し、ADがCAと等しくなるようにする[命題I-3]。そしてDCを結ぶ。
 DAはACと等しいから、角ADCはACDに等しい[命題I-5]。したがって、角BCDはADCより大きく、三角形DCBにおいて角BCDはBDCより大きい。より大きい角に対する辺はより大きいから[命題I-19]、DBはBCより大きい、よって、BAとACの和はBCより大きい。同様にしてABとBCの和はACより、BCとCAとの和はABより大きいことを示すことができる。
 ゆえに、任意の三角形において、任意の二辺の和は、残りの辺より大きい。これが証明すべきことであった。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888