命題I-16
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題I-16 任意の三角形において、一つの辺が作る外角はその内対角よりも大きい。
作成:2006-07-16
更新:2011-03-10

命題I-16

Παντὸς τριγώνου μιᾶς τῶν πλευρῶν προσεκβληθείσης ἡ ἐκτὸς γωνία ἑκατέρας τῶν ἐντὸς καὶ ἀπεναντίον γωνιῶν μείζων ἐστίν.
 任意の三角形において、一つの辺が作る外角はその内対角よりも大きい。
 三角形ABCにおいて辺BCを延長してDを作る。このとき、外角ACDが内対角CBAとBACより大きいと主張する。
 ACを二等分した点をEとする[命題I-10]。BEを結び、Fまで延長し、EFがBEと同じ長さになるようにする[命題I-3]。そしてFCを結び、ACをGまで延長する。
 そうすると、AEとECは等しく、BEとEFは等しい。二辺AE、EBがCE、EFにそれぞれ等しく、角AEBとFECが対頂角であることから等しい[命題I-15]。したがって、底辺ABは底辺FCと等しく、三角形ABEと三角形FECは等しい。そして、残りの角もそれぞれ等しい[命題I-4]。よってBAEはECFと等しい。ここでECDはECFより大きいから、ECDはBAEより大きい。同様にBCを二等分することによってBCG(ACDに等しい)がABCより大きいことを示すことができる。
 ゆえに、任意の三角形において、一つの辺が作る外角はその内対角よりも大きい。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888