命題I-13
著者:Ευκλείδης(J.L.Heiberg, Ed.)
命題I-13 ある直線が別の直線上に立って角を作るとき、それらは二つの直角かあるいはそれらの和が二直角である。
作成:2006-07-16
更新:2022-05-06

命題I-13

Ἐὰν εὐθεῖα ἐπ᾽ εὐθεῖαν σταθεῖσα γωνίας ποιῇ, ἤτοι δύο ὀρθὰς ἢ δυσὶν ὀρθαῖς ἴσας ποιήσει.
 ある直線が別の直線上に立って角を作るとき、それらは二つの直角かあるいはそれらの和が二直角である。
 直線ABが直線CD上に立ち、角CBAとABDを作っているものとする。このとき、角CBAとABDが共に直角であるか、その和が二直角であると主張する。
 実際、もしCBAがABDに等しいとき、それらは二つの直角である[定義DI-10]。もし等しくないならば、直線CD上にBから垂直な直線BEを立てることができる[命題I-11]。このとき、CBEとEBDは二つの直角である。CBEはCBAとABEの和に等しいから、それにEBDを加えるとCBEとEBDの和はCBA、ABE、EBDの和に等しい[公理A-2]。また、DBAは二つの角DBEとEBAの和に等しいから、それにABCを加えることによって、DBAとABCの和はDBE、EBAとABCの和は等しい[公理A-2]。ここで、CBEとEBDの和も同じ三つの角の和に等しく、同じものに等しいものは等しいから[公理A-1]、CBEとEBDの和はDBAとABCの和に等しい。CBEとEBDは二つの直角であるから、ABDとABCの和は二直角である。
 ゆえに、ある直線が別の直線上に立って角を作るとき、それらは二つの直角かあるいはそれらの和が二直角である。これが証明すべきことであった。
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Euclid(J.L.Heiberg), Euclidis Elementa, Leipzig. Teubner., 1883-1888