はしがき
著者:梅谷 武
『整数論事始』のはしがき。
作成:2011-01-14
更新:2013-06-17
 Pythonを2.7へ、Rubyを1.9へ、ftexを2.6.1へバージョンアップし、サンプルプログラムを対応させるとともにソースコードを見易くする改訂を行ないました。
  1. ftex 2.6.1で再レイアウト。
  2. 一部数式を見易くなるように修正。
  3. サンプルプログラムをPython 2.7、Ruby 1.9へ対応。
  4. ソースコード表示の改善。
  5. 「Pythonの導入」を削除。
 Python 2.7へのバージョンアップに伴い、Rat.pyは廃止し、標準ライブラリのfractionalsを使うように変更しました。
 Ruby 1.9へのバージョンアップに伴い、ライブラリパス指定を変更しました。
 『整数論事始』は2005年から20006年にかけて、それまで蓄積してきた整数計算に関する覚書を整理するために、初心者が学びやすいように初等整数論の基本から始めて、Python等のスクリプト言語で実際に計算をしながら、整数の算法と整数や多項式の基礎理論を学べるような教材としてまとめることを目的として書いたものです。これを公開するにあたっては1年ほどかけて、整数論に関するさまざまな概念が形成されていく歴史的過程を調べ、より深く理解できるように工夫しましたが、この作業において数学史を調べることの困難さを痛感しました。
 1.4節「記数法」、2.1節「互除法の起源」、3.1節「代数記号の歴史」や第4章の主題であるベルヌーイ数に関する歴史をより深く調べるには、日本語の文献を読むだけでは不十分であり、一次史料を読むことが求められます。これは筆者の能力を超える仕事であり、そう簡単には進みそうもありませんが、この5年ほどの間に史料収集が進んだこと、さらにはこれらに関連する日本語の論文・書籍が多数発表されたことにより、少しずつ前進しています。
 具体例をあげれば、関孝和の『括要算法』のベルヌーイ数に関する部分はかなり解読が進みました。またヤコブ・ベルヌーイの『推測法』の英訳が出版されたこともあり、ベルヌーイ数を発見するに至った過程を、ある程度再現することができそうな状況になってきました。
 当初、第4章を改訂してこれを挿入しようと考えていましたが、今読み直してみると、最終的に形式的冪級数環上の微分作用素の概念を使ってベルヌーイ数の算法を導くという、第3章から第4章への流れは動かしがたいものがあるので、この部分はそのまま残すことにしました。ベルヌーイ数の発見過程については別に書くことにします。
 今回の改訂は最初に公開したブログ形式をなるべく忠実にHTML形式に変換することを主眼とし、あきらかな誤り、レイアウトや相互参照リンクの調整以外は初版とほとんど同じ内容になっています。
Published by SANENSYA Co.,Ltd.