1.2節 正多面体
著者:梅谷 武
語句:正多面体の分類, 正四面体, 正八面体, 立方体, 正二十面体, 正十二面体
原論における正多面体の取り扱いについて述べる。
作成:2010-01-07
更新:2021-07-01
 原論第XIII巻において正多面体の作図と分類について論じられています。ここではその大筋だけを記しておきます。

定義1.2.1.2 正多面体

正多面体とは合同な正多角形によって囲まれる立体であり、各頂点に同じ数の面が集まっており、凸なもののことをいう。*1

定理1.2.1.3 正四面体の作図(XIII-13)

球に内接する正四面体を作図すること。

定理1.2.1.4 正八面体の作図(XIII-14)

球に内接する正八面体を作図すること。

定理1.2.1.5 立方体の作図(XIII-15)

球に内接する立方体を作図すること。

定理1.2.1.6 正二十面体の作図(XIII-16)

球に内接する正二十面体を作図すること。

定理1.2.1.7 正十二面体の作図(XIII-17)

球に内接する正十二面体を作図すること。

定理1.2.1.8 正多面体の分類(XIII-18系)

正多面体は上の五種類しかない。

証明

命題XI-21「どんな立体角も、その和が四直角より小さい平面角により囲まれる。」より、正多面体の頂点における面の数は、正三角形で3,4,5個、正方形で3個、正五角形で3個しかありえない。■
[1] 一松 信, 正多面体を解く, 東海大学出版会, 2002
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[2] P.R. クロムウェル, 多面体, シュプリンガー・フェアラーク東京, 2001
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[3] R. ハーツホーン, 幾何学 II, シュプリンガー・ジャパン, 2008
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註  釈
*1原論では各頂点が同数面に囲まれることや凸性には言及していないが、これを仮定しないと正多面体の分類が増えることになる。
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