第10章 フィールドデータの整理法
著者:梅谷 武
語句:フィールドデータ, フォルダ構成, ファイル形式
ToposNoteを使ったフィールドデータの整理法について述べる。
作成:2010-03-16
更新:2011-03-08
 フィールドデータは日時と地名がわかる名前のフォルダ内に、一括して管理することが推奨されます。トップフォルダ直下にフィールドデータ全体の配置情報を記録したLuaスクリプトを置き、利用者がこのプログラムを実行すれば、目的地に飛んで必要なデータにアクセスできるようにしておくのがいいでしょう。
 GPSデータは、GPSから転送したさまざまなデータをカシミール3Dで編集・管理するのがいいでしょう。それらのデータはカシミール3DのGDB形式で原データとして保存しておきます。この原データから必要に応じて、表示用データをToposNoteで扱えるGPX形式で出力します。
 GPS付きデジタルカメラが普及してきていますが、まだ多くのカメラにはGPS機能が付いていませんので、写真にGPS情報を付加するツールとしてもカシミール3Dが利用できます。カシミール3DにはGPSデータと写真の日時情報から推定された位置情報をExif情報として付加する機能があります。
 ToposNoteでは、ドラッグ&ドロップされたJPEG形式の写真について、そのExif情報にGPS位置情報があれば、その位置に写真を貼り付けます。そうで無い場合は、現在のカーソル位置に貼り付けます。
 最近のデジタルカメラにはGPSによる位置情報の他、電子コンパスによる方位情報を付加できるものもあります。この情報もExifで規定されていますので、ToposNoteでは方位情報があれば、配置する際にその情報を反映するようになっています。
 ToposNoteにおいては、三文字の拡張子によりファイルの種類を判別しています。そして次の7種類のファイル形式については、各形式毎に固有な処理が規定されています。
lua Luaスクリプト
gpx GPSデータ
jpg 写真
obj CGデータ
xml GML形式地理データ
csv 地図管理ファイル
tif 地図画像
 これ以外の拡張子のファイル、例えばsample.abcというファイルが、ToposNoteへドラッグ&ドロップされた場合、次のような処理が施されます。

Step 1.

 内部的に球を生成し、プログラム実行ディレクトリのicon下で、abc.gifという画像があればそれをテクスチャとして貼り付ける。もしなければetc.gifを テクスチャとして貼り付ける。

Step 2.

 テクスチャが貼り付けられた球をトポスオブジェクトとして、カーソル位置に置く。

Step 3.

 このトポスオブジェクトにsample.abcを関連付ける。
 この機能により、上の7種類以外の三文字の拡張子をもつファイルはすべてフィールドデータとして空間内に配置することが出来ます。
 球に貼り付けるテクスチャは256×256のgif形式で、利用者が自由に変更できます。
 球を任意のCGデータに変えたいときには、OBJ形式のトポスオブジェクトとして生成し、それにファイルを関連付けてください。
 フィールドデータの整理にはかなり時間がかかりますので、ときどき作業状態を保存しておくことが必要です。作業の区切りごとに[メニュー]→[ファイル]→[保存]により、作業状態を保存してください。
 これにより、プログラム実行ディレクトリのLOG下にその時刻を名前とするLuaスクリプトが生成されます。これにはそのとき配置されているトポスオブジェクトだけでなく、カーソル位置やカメラ姿勢も保存されますので、上空からカメラでそのシーンを撮影するような感覚で使えます。フィールドデータを整理した最終成果物は、これらのファイルを編集して作ることになります。
動画10.2.3 作業状態の保存

(国土地理院発行1/25000地形図及び10mメッシュ標高データ使用)
 ここでは、熊野古道伊勢路のツヅラト峠付近を短い動画で紹介します。
 国土地理院ではその測量成果の利用について、「刊行物等に少量の地図を挿入」の場合、Webサイトにおいては300×400ピクセル以下であれば、出所を明示することを条件に、利用申請が不要であるとしています。ここでは、このルールに従って、3D地図画面を300×400ピクセル以下にしています。
 通常は大画面で使いますから、実際に使うときのような迫力は出ませんが、ある程度はその雰囲気を感じていただけるものと思います。
動画10.3.4 熊野古道伊勢路:ツヅラト峠

(国土地理院発行1/25000地形図及び10mメッシュ標高データ使用)
Published by SANENSYA Co.,Ltd.