7.4節 四元数による回転
著者:梅谷 武
語句:回転軸, 回転角
四元数による回転の表現について述べる。
作成:2009-09-25
更新:2011-03-08
 ここではa ∈ S3に対応する回転φa,aの回転軸と回転角を求めます。

補題7.4.1.2

a ∈ S3, a ≠ ± eは次のように一意的に表現することができる。
a = cos
θ
2
e + sin
θ
2
q,  θ ∈ (0,2π), qIm ,
q
= 1

証明

a = a e + b q,  
q
= 1, b > 0
と書くとa2 + b2 = 1より、θ ∈ (0,2π)が一意的に定まり、次が成り立つ。
a = cos
θ
2
,  b = sin
θ
2
a ∈ S3, a ≠ ± eが上のように三角関数表現されているとします。φa,a(a-a) = a-aより
a - a = 2b q
φa,aに関して不変です。したがって、Im においてqが生成する部分空間をV := qとすると、
Im = V ⊕ V
と直和分解され、xIm
x = r + s,  r ∈ V, s ∈ V
と分解されます。回転φa,a
φa,a(x) = φa,a|V(r) + φa,a|V(s),  φa,a|V(V) ⊂ V,  φa,a|V(V) ⊂ V
と分解されます。
n =
s
||s||
,  n = n × q
とおくと(q,n,n)Im の正規直交基底であり、φa,aのこの基底に対する行列表現A
A := lb96
1
0
0
0
a11
a12
0
a21
a22
rb96
となりますが、
               φa,a(n)
=
ana
=
(2cos2
θ
2
- 1)n + 2cos
θ
2
sin
θ
2
n
=
cos θ n + sin θ n
φa,a(n)
=
ana
=
cos θ n - sin θ n
より、
A = lb96
1
0
0
0
cos θ
-sin θ
0
sin θ
cos θ
rb96
となり、Aqを回転軸とし、回転角θの二次元的回転であることがわかりました。

命題7.4.1.5

a ∈ S3, a ≠ ± e
(1)
a = cos
θ
2
e + sin
θ
2
q,  θ ∈ (0,2π),  q ∈ S2 := S3Im
と一意的に表現するとき、φa,aqを回転軸とする回転角θの二次元的回転である。
q ∈ S2を回転軸とする回転角θの二次元的回転を
(2)
R(θ,q) := cos
θ
2
e + sin
θ
2
q
と表記することにします。そうするとオイラー角による回転行列と四元数との対応は次のようになります。
(3)
R1(θ) ↔ R(θ,i),   R2(θ) ↔ R(θ,j),   R3(θ) ↔ R(θ,k)
これによりオイラー角による回転表現は容易に四元数に変換することができます。
R3(ψ)R1(θ)R3(φ) ↔ R(ψ,k)R(θ,i)R(φ,k)
[1] L.S.ポントリャーギン, 数概念の拡張, 森北出版, 1995
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[2] H.D.エビングハウス, 数 (上), シュプリンガー・フェアラーク東京, 1991
[3] H.D.エビングハウス, 数 (下), シュプリンガー・フェアラーク東京, 1991
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